よっしゃ、完全に治った。平熱に戻った。
自然な呼吸で、脳がくっきり、体が楽だ。
ありがとう。感謝します、我が細胞。
これが健康体の素晴らしさなのだが、普段は気づきもしない。
君たちも病気になれば、健康さえ手に入れば他には何も要らない
と思うに違いないのだよ。
ところが健康は自明のものだと思った瞬間、強欲が出て、あれも
足らん、これも不満と言い出すのだ。
人間は病気になって、健康になった瞬間だけ、仏の境地を知る。
今わしは明鏡止水の心境だ。
遠く社会の隅々までの腐敗を見通しながら、ふっふっふと微笑を
浮かべつつ、どいつもこいつもただではすまんぞとこめかみの
血管がぴくぴくするのを感じている。
馬鹿どもが、思い知らせてやるぞ!
微熱の最中もSpecial本の仕事を継続していたのは何のためと
思っとるんじゃい?
もちろん馬鹿退治のためじゃい!
首を洗って待ってろ!
ああ、仏になれない。